音楽の上達において、音感を鍛えることはとても効果的です。
多くの音楽家は思い通りに演奏することを目標として練習に励むわけですが、そんな“思い” をより具体的にするために必要な能力が音感です。
相対音感は大人になってからでも鍛えられる
音感には絶対音感と相対音感があります。
絶対音感とは、ある音の高さを音名で認識できる能力のこと。
幼少期の訓練でのみ習得できます。
相対音感とは、ある音を基準にもう一つの音との距離を把握できる能力。
大人になってからでも習得できます。
つまり、大人になってから音感を鍛える、となった場合は、必然的に相対音感を鍛えることになります。
相対音感を鍛えることでどんな効果が期待できるか
ピッチ感が良くなる
まずはじめに現れる効果として、ピッチ感が良くなります。
日常的に正しいピッチを気にしながら歌う練習をすることで、頭の中に正しいピッチが鳴るようになり、自分のピッチ感に頼れるようになります。
音の認識ができるようになる
早いフレーズなど、なんとなく音の塊として聞こえていたものが、個々の音として認識できるようになります。
そうすると、細かなニュアンスも聞き取れるようになり、好きな奏者の真似もしやすくなります。
また、音楽の聞こえ方が変わってきます。
音を狙えるようになる
特に管楽器は身体までが楽器の一部だと言われることがありますが、それは大げさなことではありません。
出したい音に合わせて口の中の形や息の出し方などをコントロールすることで、ピッチが安定したよく響く音が出ます。
音感がないと、音が出てから身体を合わせるようになり、演奏が安定しなくなります。
音を出す前に何の音が出るかがわかっていることで、音を出す前、あるいは音を出す瞬間に身体を合わせることができるようになります。
調性感のあるメロディを移動ドで認識できるようになる
無調や頻繁な転調のない、調性感のあるメロディなら移動ドのドレミ(階名)で認識できるようになります。
また、急なリクエストにも対応しやすくなります。(誕生日だからハッピーバースデー吹いてよ!とか)
曲のメロディやコード進行の記憶力が飛躍的にアップする。
曲を暗譜するのはとても時間がかかるし曖昧になってしまうものです。
相対音感を鍛えることでメロディを階名で、コード進行を音の流れで記憶できるようになります。
相対音感を身に付けることで得られる最も大切で重要な効果
上記のことはほんの一部です。
これらは総じて何を意味しているのか。
音で音楽をしていないとき…
覚えたフレーズをセッションで使って、失敗したとか成功したとかで一喜一憂しつつも、どこか音楽を作っている感じがしない。
曲の譜面を先生に言われた通りに微調整して正解に近づいていってるけど、自分の音楽性が上がっている気がしない。
アンサンブルで頑張ってるつもりだけど、自分だけ取り残されているような気がしてしまう。
こんな経験はあると思います。
これらは、技術的な問題以前に、“音楽に参加するとはどういうことかを実感できていない” からです。
音楽に参加できるようになる
音に対して音で反応すること。
周りがこんな音を出すなら、自分はこうだな、と自分で判断できること。
あるいは自分の音に反応して次の音を決めること。
まずこの意識を持つことが大事です。
そしてその大きな手助けになるのが、音感です。
音楽は音でするものです。
それは、拙くても同じことです。
常に音で音楽する意識を持つことで、音楽に参加できるようになります。
まとめ
音楽は音でするもの。
その為に、音感を鍛えましょう。
相対音感は大人になってからも体系的なトレーニングにより効率的に鍛えられます。